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第39便 会津若松 原発避難児童たちとのキャンプ

復興
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概要

NPO法人全国てらこやネットワーク 震災復興プロジェクト
福島県会津美里町 キャンプ~原発避難児童のケア~
2011年9月17日~18日

<内 容>
福島県会津若松市に避難してきている大熊町・楢葉町の子供たち35名とのキャンプ

<一日目>
開会式
自由遊び
バーベキュー
ナイトハイキング
お風呂(温泉)
就寝

<二日目>
起床
朝食
本郷焼き(陶芸体験)
自由遊び
閉会式・解散

<受入れ>
会津てらこや

<参加者>5名
湯沢大地・上江洲慎・岩沢圭一郎・森住衿子・鈴木絵梨奈

報告者・岩沢圭一郎

レポート(一日目)

【開会式】
その日我々は東京を朝6時に出発。いつも3時間半で会津若松に着くので、13時の開会式に向けて余裕をもった出発。現地で会津てらこやの斎藤さんとゆっくり昼食を取りながら、キャンプの話をする…はずでした。しかし、、、首都高を走っていると事故があったり、工事で一車線になっていたり、東北道でまた事故があったりと…渋滞、渋滞、渋滞の連続。なかなかスムーズに進みません。どんどん時間が経ち、なんと会津若松まで7時間もかかってしまいました。ずっと運転していて下さった湯澤てらネット顧問には感謝です。キャンプの会場についたのは開始時間を少し過ぎた13時5分。すでに開会式は始まっており、我々はその最中に登場することになりました。
「おおー!!来たーー!!!!」「あっ、慎ちゃん、圭ちゃん!!」「僕の事覚えてる!?」
会場に行くと、そこには6月のてらネット合宿にも来ていた子や、避難所で仲良くなった子たちがたくさん。懐かしくてこっちまでテンションが上がっちゃいます。

【自由時間】
開会式の後は自由時間。夜のBBQまでひたすら遊びます!今回のキャンプの会場は5月22日に行われた、会津てらこや祭りの会場でもあった所。今回参加した子供たちは35名、そこにはもちろん初めて会う子たちもいましたが、仲良くなるのに時間はかかりません。サッカー、野球、ドッジボール、アスレチック、水鉄砲など、学生と一緒になって思い思い好きな事をして遊びまくり。子供たちはとにかく元気!しかし学生も負けじと元気に走り回ります。
35名の子供に対して学生3名+上江洲さんというのは少なかったですが、各自うまく散らばって子供たちと過ごすことができました。

【BBQ】
さて、思いっきり遊んだ後は、お待ちかねのBBQ!!
各班に分かれて自分達のかまどに行きます。男の子は炭火に夢中で、ずっと火を眺めていたり、女の子は誰が焼く係をするか話し合い。さあBBQの具材はなんだろう。
出てきた野菜やお肉、焼きそばをワイワイと調理して、皆で楽しくおいしく頂きました。BBQでは飯盒(キャンプ・登山など野外における調理に使用する携帯用調理器具)を使ってご飯を炊きます。飯盒でご飯を食べるのは初めてという子もたくさんいましたが、「おいしい!!」という声があちこちから聞こえました。ご飯のお焦げをおいしく食べられるのも飯盒の良いところですね。
そんなBBQの途中で、嬉しいプレゼントが。地元のロータリークラブの方々が、りんご・なし・みかんを1人1セットずつプレゼントしてくれたんです。そして更に、福島県民謡の「会津磐梯山」を歌っていただくというプレゼントも。

【ナイトハイク】
夜はキャンプ場の近くにある城跡へと行きました。1568年に造られたお城の跡となる羽黒山です。街灯もなく暗闇のため、怖がる子が何人かいましたが、そこは学生と手をつないで勇気を振りしぼり出発!数分歩くと、ふもとの町の夜景が間の前に広がりました。「うおぉぉお、スゲー!!」「きれー!!」と子供たちからも感動の声。視界が開けていたため、ホントに綺麗な景色が見れました。これで皆元気が出て、さらに上へと登っていきます。次に目指すのは二の丸跡。ここから段差や木が出てくるので、何かあると皆で声をかけあって注意を喚起し合います。子供たちも自然とそれが身についてきて良かったのですが、中には注意喚起に気を払いすぎて、自分が木の根っこにつまずいて転びそうになる子もいました。笑
さて、そうこうしているうちに二の丸跡に到着。先ほどとは違う方角が見え、二の丸跡からは会津若松市内の夜景が見えました。そして鶴ヶ城を見つけ、それを基準に「あっ、わたし今あそこに住んでるよ!!」「僕はあの辺!!」と子供たちが大盛り上がり。避難してきている子供たちは、福島県浜・中通りの一次避難所から二次避難所・会津若松市東山温泉に、そして今は二次避難所からも出て各自アパートを借りたり仮設住宅に入っている状況です。まだまだ先が見通せないため、保護者の方々の苦労は大変なものかと思います。
ナイトハイクから帰った後は、近くの温泉に行きました。皆で入るお風呂は気持ちのいいものですね。そして次の日に備えて、今日は早めの就寝。としたかったのですが、皆なかなか寝ません。テントから出てきてりんごを食べ始めたり、何度もトイレに行ったり。興奮がまだまだ冷めないようです。結局1時過ぎまで起きている班もありまりました。次の日大丈夫かな…

二日目

【本郷焼の陶芸体験】
18日は朝から陶芸体験。ですが皆が朝ごはんを早く食べ終わったので、陶芸までの空き時間は川に入って遊びました。9月の中旬だと言うのに、この日の会津は30度超え。みんな水遊び大好きで、気持ち良いし楽しいしで大いに盛り上がりました。中にはパンツ一丁で水浴びする男の子たちも。
さて、時間になったので本郷焼体験が始まります。コップや茶碗、お皿の中から、どれを作るか選びます。子供たちけっこう悩むかと思ったら、意外と早く決まりました。なにを作るか決まれば、講師の方から作り方を聞いて、各自作業に入ります。しかしこの陶芸、一回失敗するともうその土では作れない…という難しいものだったんです。大丈夫かな、大丈夫かな、と学生が心配するのをよそに子供たちは全員無事に作ることができました。さあ、作り終わったら今度は絵付けです。作った作品に自分たちで好きな絵を描きます。これで自分だけのオリジナル食器が完成だね!

陶芸体験が終わったら、閉会式まで自由時間!また川で遊ぶ子、広場に行って野球やサッカーをする子。最後まで思いっきり遊びます。昨夜遅くまで起きていたから、皆寝不足かと思ったら、そんなことを感じさせない見事なはしゃぎっぷりでした。

 

<てらこやの被災児童支援の意義>

ナイトハイクの時に子供たちと話していたら、皆はこの夏、他のNPOのプログラムで京都に行ったり、北海道にも行ったりしていたようです。震災の被害に加え原発の事があるので、大熊町などは全国的にも注目されているため、そういった支援プログラムが集中しやすいようです。夏休みは様々な団体が3泊以上の企画で子供たちを福島県外に連れて行っていました。中にはそういったプログラムにこの夏3回も参加したなんて子も。保護者の方としても、少しでも放射線値の低い所に行かせたいと思っているようです。
こんなに支援の手が差し伸べられているのは良い状況ですね。しかしそれでは、私達てらこやが同じく子供たちに支援活動をする意義はなんでしょうか。先に述べたように、私達が支援活動しなくても、この夏は多くの団体がプログラムを組んでいました。場所で言えば、北海道や京都に比べてしまうと、会津で行っているキャンプはどうしても魅力が下がってしまいます。子供たちにとってはもう新しい場所ではないし、放射線値の低いところにキャンプに行くわけでもない。
では、てらこやの強みは? それは、この前会った学生にまた会える。そういう所だと思うんです。また一緒に遊べる。「またね!!」って、そう言える関係が作れるところ。そして、新しい学生が来たりして輪がどんどん広がっていく。
他の団体の夏休みプログラムは確かに豪華ですが、単発のプログラムが多いのが現状です。○○に連れていく、○○を体験できる等、魅力的なプログラムはたくさんありますが、なにより子供たちはまた会える事を望んでいます。知ってる学生のいるプログラムというのは子供たちにとっても参加しやすいようで、「こっちの方が楽しいよ!!」と言ってくれました。私としてはそれが嬉しく、また仲間を連れて来なきゃな、と使命感を感じさせられる、そんなキャンプとなりました。

最後に、このように長期的な支援活動ができるのは、関係者各位のご協力があってのことです。日頃のてらこや被災地支援活動へのご理解に深く感謝いたします。

早稲田大学3年 岩沢圭一郎