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第14便 会津てらこや祭り

復興
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<【第14便】『会津てらこや祭り』>

5月7日(土)に行われた、第12便「春のミニスポーツ大会」に引き続いて、全国から集まる大学生のお兄さん・お姉さんが、会津若松市内での避難所生活を余儀なくされている福島県大熊町の子どもたちと伸び伸びと身体を動かして思いっきり“遊ぶ”「スポーツ大会」と、「全国てらこやネットワーク」の強みを活かした全国各地のてらこや・青年会議所の皆さんによる「炊きだし」の同時開催で行われた『会津てらこや祭り』が、地元の会津大学の学生や青年会議所とそのOBの方々の多大なるご協力を仰ぎながら5月22日(日)に行われました。

今回の活動報告は、『会津てらこや祭り』の学生総リーダーを務めてくれた、早稲田大学3年生の岩沢圭一郎くんの活動報告を中心に、活動に参加する“大学生の視点”から活動報告をお届けしたいと思います。

思いっきりいっぱい遊んで、

全国のあったかいご飯をいっただきますっ!

【活動概要】
日時:2011年5月22日(日)10:00~14:00
場所:会津美里町せせらぎ公園
内容:スポーツ(サッカー、ドッヂボール・バスケ・野球・バトミントン)
自由遊び
屋台の出店(イカ飯、芋煮、桃太郎アイス、笹団子、ポップコーン、チョコバナナアイス、タレカツ丼、お好み焼き、ドリンク、ロボコン)
よさこい演舞
バルーン飛ばし
など…

参加者:親子約80名
スタッフ:学生約40名、JC関係約45名、よさこいチーム約50名

主催:会津てらこや・チームIPPO・NPO法人全国てらこやネットワーク
協力:函館てらこや・米沢てらこや・寺子屋つばさ・てらこや千葉・武蔵てらこや・NPO法人鎌倉てらこや・西宮てらこや・浦添てらこや
後援:福島県・大熊町教育委員会・楢葉町教育委員会・会津美里町

<【活動報告】学生リーダー 岩沢圭一郎(早稲田大学3年)>

【会津っ子としてできること】
私は今回、特別な想いでスポーツ大会運営に臨んだ。というのも、私は福島県会津若松市の生まれ。会津はこの震災で大きな被害は受けておらず、同じ県民の大熊町や楢葉町のサポートにまわっている。そして今回東京から福島を応援すべく、80余名の方々が参加して下さった。その中で学生は約40名、今回の活動に賛同し所属を超えて集まってくれた有志たちだ。私の立場は、この東京からの応援の学生リーダー。地元へ外からの応援部隊として参加することに、不思議な気持ちになりながら、とても意気込んでいた。

当日朝の全体ミーティング

準備作業も急ピッチ!

 

【雨ニモマケズ…】
当日は残念ながら開始時刻よりも前に雨が降り出した。こんな状況では子供たちも集まらないか…と落胆していると、車が2台…3台とやってきた。そして雨にも関わらず車から降り「今日ドッヂボールやるんでしょ?ドッヂボールしに来たよ!!」と子供たちが元気に走りだしてきたのだった。雨が降ってるけどどうしようか、と考える私や降りしきる雨の事などおかまいなしに、子供たちは元気いっぱい遊びまわっていた。その姿に周りの学生も元気をもらい、一緒にびしょ濡れになりながら遊んでいた。そしてその後も子供たちは来続け、スポーツ大会は大盛況。中学生の男の子たちは、避難所から9kmも離れているのに、なんと雨の中を自転車でやってきた。私はその光景を見て嬉しく思ったが、しかし深く考えさせられもした。「こんなに多くの子供たちが集まったのはなぜなのか。雨が降っているのに、なぜこの子たちは来たのだろうか…。」ふつうは雨に濡れると分かっていて、わざわざ来たりはしない。しかし、そうまでしても外で遊びたい、思いっきり走りまわりたい。そう強く思う…それが被災地の、避難所の子供たちの状況なのだ。それを改めて実感し、この大会や今後の活動に対して、より強い責任を感じるようになった。

突然の雨にもたじろぐことなく、

思い切って野原を駆け回る~。

 

【つながる広がる支援の輪】
そして今回、JCの方たちが屋台を出して下さるにあたって、「お祭りみたいにして活気づけたい」とおっしゃっていたので、私の後輩のいる日大工学部(郡山)のよさこいチームに出演を依頼した。よさこいソーランを踊って盛り上げて欲しかったのだ。すると彼らから「ぜひ参加させて下さい!!」と快い返事をもらい、当日は約50名の日大生が来た。今福島は復興のためにお祭りをできるような状況にはまだなっておらず、彼らには踊る場所がない。しかし福島を元気づけるために踊りたい!アクションを起こしたい!と強く思っていたようで、双方の想いが上手く合致した。スポーツ大会の終わり際に、子供たちとよさこいを見て、その後一緒にソーラン節を踊った。皆で一緒になって踊っているその瞬間は、とても心地の良いものだった。

日大の「桜花一門」というチームに参加してもらいました。

みんなで「よさこい」まわってフーっ!!!

【終わりに】
今回のスポーツ大会を通して、福島県(被災者側)と県外(支援者側)それぞれ大きな事に気づけたのではないだろうか。
支援者側の発見としては、他の学生やJCの方々も言っていた事ですが、「福島の人たちが思っていた以上に元気だ」ということ。原発によって故郷に帰れなくなり、気持ちが沈んでいると思っていたが、皆現実を受け止めたくましく生きている。けど話していると支援が必要な部分もまだまだあり、長期的に力になっていかなければならない点が見つかった。
そして福島の人たちにとっては、「県外の人たちがこんなにも自分たちを心配してくれていて、今日のためにこんなにも多くの人が集まってくれた。」それが見えた事が何よりも嬉しく、力になったと思います。テレビやネットで応援メッセージはたくさんみるけど、実際に来てくれる、というのはやはり大きく違います。今回のスポーツ大会は、日本全国から自分たちのために集まってくれた、それが肌で実感できるものだったのです。

震災以降、自分の生まれ育った地域のために皆さんが動いて下さっているのを見ると、胸が熱くなります。また、自分もそこに携われること、とても嬉しく感じ、深く感謝しております。こういった活動ができるのも、皆さまのご理解あっての事です。本当にありがとうございます。


どれから食べたらいいか迷っちゃう!?

ポップコーンやチョコバナナはいかが?武蔵てらこやのみなさん

<【活動に参加した大学生メンバーからの活動報告】>

私は今回ボランティアをするにあたり、自分の目で確認したいことがあった。それは、被災している子供達の現状である。避難所生活をしている子供達はどのような気持ちで毎日を過ごしているのか。それを表情から読み取れればよいと思っていた。そして、その子どもたちの表情を読み取るためには、私自身も子供達と存分に溶け込んで遊ぶことが必要だと考えていた。
当日はあいにくの雨であったが、私の予想を裏切り多くの子供が来場してくれたことに感激した。「運動をする」ということは、何の変わりも無く生活している私たちにとっては当たり前のことであるが、被災している彼らにとっては非日常的なことになっているということに気づかされた。初対面にも関わらず蔓延の笑みで私たちにいろんなことを話してくれ溢れんばかりのエネルギーを放出するかのように遊ぶ子供たちを見ていて、人は健康であるからこそ笑顔でいられるのだと感じた。
今回のボランティアを通じ、いろんな現状の人が、“今に負けることなく生きていること”を強く感じた。しかし、今回だけに限らずよりたくさんの子供達の笑顔を見つけるには、私たち学生も、被災地福島に向けて出来ることをまだまだ満足することなく継続していかなければならない。またボランティアに参加させて頂きたいと思う。最後に私の地元、福島に微々たるではあるが貢献してくれた皆に感謝すると同時に嬉しく思う。(専修大学4年 Sくん)

みんなでわいわい

思いっきり遊ぶ!

私は今回初めて「てらこや」に参加させてもらいました。単純に子供、自然、人と関わることが好きだからという理由で初めて「てらこや」の活動に参加させてもらいましたが、本当に参加できてよかったと思っています。言葉で言うのは簡単ですが、新しく参加する人も受け入れ、主催者側も参加者側もイキイキしながら活動するのは簡単なことではないと思います。それが実現できているのもこの「てらこや」の人々のエネルギーのおかげなんだと感じました。
雨にも関わらず、学生以上に元気に働いているJCの方々が一番印象的でした。その姿を見て逆に私がカツを入れられた気がします。また、予想以上の子供たちの元気のよさには感動しました。福島の復興に向けて人が今、一つになろうとしているんだ、と肌で感じることができた気がします。ありがとうございました。(早稲田大学3年 Sさん)

たくさん食べて

私は今回初めて「てらこや」の活動に参加させてもらいました。午前中からの雨で服も体も濡れて「寒いなぁ」と思った時、「震災で被災し、救助を待っていた人達はどれほど寒かったのだろう…」ということに気付きました。スポーツ大会に参加していた子供たちは皆楽しそうで、少し遊びを中断すると「遊びたい遊びたい」と言っていました。大雨の中走り回って遊ぶ子達を見ているとすごいパワーを感じました。
印象的だったのは、小学校中学年くらいの男の子が体をグラグラと揺らして「地震だー」と言って笑っていたことです。私は何も言えずにただ見ていることしかできませんでした。これから私に何ができるのかを考え、そして何よりも私も東北出身者としてこの震災を忘れてはいけないと思っています。
今回のてらこやの活動で福島に行くことができ、また子供達と少しでも触れ合うことができて、私一人ではできないことを体験することができ、とても貴重な経験になったと感じています。(Iさん)