第27便 福島県会津若松市へ避難所訪問
復興概要
日時:平成23年6月27日(日)
行き先:福島県会津若松市
参加者:上江洲慎 岩沢圭一郎 久山雄大
目的:避難所生活を送る子どもたちのケア、震災支援プロジェクト「元気玉プロジェクト」代表・江川和弥さんとの面談、公益社団法人会津JC・OB齋藤さんとの打ち合わせ
<東山温泉を訪れて>
今回の震災支援27便では最初に東山温泉を訪れました。私自身てらネット合宿に参加したものの合宿中に子どもたちと直接触れ合うことがあまり無かったので、久しぶりに大熊町の子どもたちと会うように感じました。
鎌倉から約5時間。午後2時ごろに東山温泉に入り最初のホテルに着くと、顔見知りになっている子どもとすぐに会うことができました。何回目の訪問でも子どもたちは私たちに会うと気軽に話しかけてきてくれます。それが嬉しいと思うと同時に、この数ヶ月の中で少しずつ良い関係が築けてきたのだと改めて感じさせられました。
ホテルではいつも決まったフロアで遊んでいますが、そのフロアに着いた途端に子どもたちは私たちに全力でぶつかってきます。学生におんぶさせたり、叩いたり、追っかけまわしたり、最近では学生に筋トレをさせる光景もよく見かける気がします(笑)。こうして遊んでいる子どもたちは本当に楽しそうな笑顔を見せてくれるので、こちらもそれに負けない気持ちにさせられます。
ただ、こうしていつもの場所で遊んでいるとホテルの従業員の方から他の利用者の方に迷惑になるかもしれないということで他の場所で遊ぶよう注意を受けました。確かに走り回ったり、大きな声で叫んだりするには他の方に迷惑がかかりかねない場所ではありましたが、大熊町の方だけではなく一般の方もホテルを利用するようになったということで、今まで使えた場所も使用するのが難しくなってきたようです。今まで至らなかった部分ではありましたが、他にもホテルに来館する時は事前にアポイントメントを取ることをお願いされるなど、ホテルの対応にも変化が見られました。
注意は受けたものの、休日は開放されていないプレイルームをホテルのご厚意で開放してもらい、そこに移動して遊ぶことになりました。子どもたちでドッジボールのようなことを始めたり、一緒にパズルを解いたり、学生に落書きを始めたり…子どもたちにとって場所は関係無いのか、ここでも思いっきり楽しそうに遊ぶ姿が見られました。以前よりゲームやパソコンばかりで遊ぶ子どもが減ったように思います。子どもたちの中にもみんなで思いっきり遊びたい!という衝動が起こっているのではないでしょうか。
ホテルを後にする時にはいつものように子どもたちが見送りに来てくれて、駐車場を出るまで追っかけてきてくれます。大熊町の方の中にはすでに避難所を出て暮らし始めている方もいるようです。なので、いずれこうして追っかけてきてくれる子どもの数が減っていき、このような健気な姿を見ることも無くなってしまうのかもしれません。そう思うと寂しくなりますが、また会えることを信じて今回はホテルを後にしました。
<「元気玉プロジェクト」代表・江川さんとの面談>
今回の便では事前に紹介を受けて現地で被災者支援の活動を行っている「元気玉プロジェクト」の代表である江川さんとお会いすることができました。早速お話をうかがいましたが、やはり現地という最前線を拠点に活動されているということで福島の避難民の状況や行政・学校の状況など詳しい情報をお聞きすることができました。
元気玉プロジェクトでは被災者の方の生活を支援する情報を提供するだけではなく、NPO法人「寺子屋方丈舎」との共催という形で被災した子どもと遊ぶプロジェクトを進めているそうです。昼間に訪れたホテルの中にあるプレイルームも元気玉プロジェクトが活動場所としているスペースでした。他のNPO法人と連携していたり、避難生活を送る子どもたちとキャンプをする活動なども予定しているようで、同じ被災者支援を行っている立場として様々な情報を交換することができました。今回は短い時間で失礼しましたが、現地との新たなつながりを持つことで今後の支援に更なる幅ができたと思います。今回いただくことのできたお話を活かして今後の支援につなげていければと思います。
<会津JC・OB斎藤さんとの打ち合わせ>
そして夜には会津若松を訪れた際にいつもお世話になっている会津JCのOB・斎藤さんに時間を割いていただき、今回もお会いすることができました。
会津若松名物・ソースかつ丼をいただきながら、今回も「会津てらこや」の今後のより具体的な活動予定や内容をお聞きすることができました。会津てらこやはまだ立ち上げたばかりであるので学生スタッフがあまり集まっておらず、てらこやネットワークの学生にもぜひ活動に参加して欲しいとのことでした。全国の子ども・学生・大人をつなげるだけではなく、各地のてらこやとの連携・交流を図ることもてらこやネットワークの今後の活動の1つであると思います。それを含め「てらネットとしてできること」を模索しながらこれからも活動を行っていきたいと思います。
今回もお忙しい中お時間を割いてくださった斎藤さんには大変感謝です。本当にありがとうございました!
<終わりに>
今回も東山温泉を訪問し、子どもたちと楽しく交流をすることができました。しかし、7月いっぱいでホテルが避難所としての役割を終えるということで、大熊町の方の中にはすでに仮設住宅に引っ越したり、それぞれマンションなどを借りてそちらへ移動したりなどといった動きが見られました。なので今までは毎回のように会うことのできた人の中には会えなくなっている人もおり、これからも大熊町の方が東山温泉を去っていき、みんなで会えなくなることを思うととても寂しく思います。今までは「避難所の方といかに関係を築いていくか」を考えていましたが、これからは「散り散りになってしまった大熊町の方をいかに結ぶか」も考えていかなければならないのではないでしょうか。
このように、最近では避難所で一緒に生活を送っていた方々が別々に新たな生活を送り始めるという新たな局面を迎えています。27便では避難所の方だけではなく、現地で活動している人とも新たなつながりを結ぶことができました。今後もこうした新たなつながりを結んでいき、それを活かしながら「現地のニーズは何か」「自分たちに何ができるか」を模索しつつ長期的な支援を続けていきたいと思っています。
以上、学生スタッフの視点で活動報告をさせていただきました。私は今回の便がてらネット合宿が終わってから初めての東山温泉への訪問となりましたが、子どもたちが楽しく遊んでいる様子を見てホっとすると同時に、これからもこのような顔が見える支援を続けていければと改めて思いました。今回も大熊町の方々、元気玉プロジェクト代表の江川さん、会津JCのOB斎藤さんをはじめとする多くの方にお世話になりました。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願い致します!