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第48便 釜石への応援メッセージ

復興
復興

概要

実施日 :2012年3月21日~22日
場 所 :岩手県釜石市・大船渡市・陸前高田市・北上市・花巻市
内 容 :てらネットの復興支援 第41便で集めた応援メッセージを釜石市に届けること、
5月開催の夢のつばさプロジェクト遠野合宿の現地調査と打合せ(35便・40便・46便)
現地のNPO法人 handsさんとの協働の打合せ
大船to大船渡(31便)の打合せ

協力者 :(公社)花巻青年会議所
大船渡観光物産協会
釜石市ボランティアセンター
(社)北上青年会議所
(社)釜石青年会議所
(社)遠野青年会議所
NPO法人 hands

参加者 :赤沼範典・菊地隼・南里和沙・湯澤大地

復興支援 第48便は震災後1年と10日経った3月21日から22日に掛け、上記4点を目的として岩手県沿岸部を中心に5つの市を回った。例によって盛りだくさんの内容で、今回も花巻・北上・大船渡の友人たちのお世話になった。感謝。
夢のつばさプロジェクトについては⇒ こちら

 

3月21日出発

この日は、早朝に出社し仕事の段取りをつけてからの出発となった。11時56分東京発の東北新幹線に乗車した。15時前に新花巻に到着、花巻JCの方々がお出迎え下さり早速、花巻のキャンプ場に向った。
事業を開催する予定のキャンプ場までは、新花巻駅から15分くらいで到着した。花巻周辺では一昨日に雪が降ったとのことで、キャンプ場は予想以上の積雪だった。本来、この時期、キャンプ場は閉鎖されているのだが、この視察のために開門して頂いた。感謝。
炊事場、テント設営場所、屋外ステージ等を徒歩で見て回ったが、積雪が深く膝まで雪にはまりながらの視察となった。童心に還るようでとても楽しかった。
3月28日に夢のつばさプロジェクトの学生たちが視察(第49便)に訪れるので、詳細については彼らに任せ、事業のアウトラインだけを打合せた。キャンプ場を視察後、5月20日のJAXAとの協働事業の開催場所を視察した。その後19時から花巻JCのメンバーの方々と会食し、2次会までご一緒させて頂いた。
花巻JCでは一昨年に講演をしたことがあるので、旧知の方々も多く楽しい時間となった。

雪景色の花巻キャンプ場

膝まで埋まる積雪

花巻JCさんと会食

ご案内頂いた花巻の方

陸前高田へ

翌22日、北上を9:00に出発し、陸前高田に向かった。震災から1年と10日が経った沿岸部の状況や、瓦礫の広域処理・域内処理について等、現地の声を聞きたいと考えていた。思い返すと、私が復興支援第1便を始めたのも丁度、1年前の3月22日だった。
陸前高田を訪れるのも5度目になるが、今まで以上に閑散とした印象を強く受けた。晴天の下、遠くの重機の作業音が響くだけで人影は疎らだった。予想通り震災から1年の3月11日前後は多くの方々が訪れたが、その反動もあり現在は訪れる人が減少しているとの話だった。
陸前高田では、連携している現地の復興支援NPO法人 handsの新しいプロジェクトの話を聞いた。津波を被り塩害のある田畑を再生するプロジェクトで、農業法人の設立も視野に入れているとの事だった。当然のことながら協力して行こうと考えている。

閑散とする陸前高田

未だにこのような場所が散見される

大船渡へ

その後、鎌倉市大船発の復興支援イベント 大船to大船渡(第31便参照)の打合せに、大船渡観光物産協会を訪問した。今回の岩手訪問は予定が不確定だったので、事前のアポは取っていなかった。急な連絡で申し訳なかったが、大船渡観光物産協会の方々は、いつものように歓迎してくれた。新沼事務局長は、お休みにもかかわらず打合せのために出てきてくれた。感謝。大船渡観光物産協会には2月1日に訪れたばかりだったが、大船to大船渡の打合せも月に2回、定例で開催しているので報告確認事項は沢山あった。
打ち合わせ後、新沼さんからお薦め頂いたサンマラーメンを試食するために碁石海岸に向かった。サンマラーメンは10種ほどのタイプが有るそうだ。今年の大船to大船渡でも提供する予定となっている。

大船渡観光物産協会にて

碁石海岸にて、さんまラーメンを試食

唐丹小学校跡にて

大船渡での打合せを終え、釜石へ向かった。その途中で昨夏に復興支援で訪れた、唐丹小学校へ寄ってみた。唐丹小学校は津波被害を受け校舎は全壊し取り壊しが決まっている。
昨夏の復興支援(第38便)は、津波を被り瓦礫が散在している唐丹小学校のグランドの整備だった。高台の学校のグランドや広場には、仮設住宅が建設されているので、子どもたちが遊ぶ場所は殆どない。その中で、唐丹小学校は子ども達の運動場として再生しようという目的で瓦礫撤去をした。
先日、現地の方から、唐丹小学校のグランドで、子どもたちが野球を始めましたとのご連絡を頂いていたので、今回の旅で寄ってみることにしたのだ。野球をしている子どもたちの邪魔にならないよう、監督さんと少しだけ話をして直ぐに釜石へ出発した。
当時、炎天下でのかなりきつい作業だったが、報われる思いがした。感謝。

唐丹小学校。右手が堤防

唐丹小学校グランド。野球をする現地の子どもたち

釜石へ

大船渡から唐丹を経て釜石へ向かった。今回の主な目的である、第41便で多くの方々から頂いた応援メッセージを釜石に届けるためだ。釜石VCの方々には事前に了解を得ており、VC前の道路に掲示させて頂いた。強風の中、VCの方々総出でお手伝い頂いた。感謝。
その後、VC事務所で、現在の状況などをお聞きした。仮設住宅での栄養面を考えた炊き出しの依頼や、新しいミッションへの協力など、まだまだやることは多そうだ。
釜石でのミーティングを終え、帰路についた。しかし、最後に北上JCのメンバーから面談の依頼が有り、新幹線を1本遅らせて北上駅近くで30分ほど面談した。余談だが、5月20日、夢のつばさプロジェクトと北上JCの事業が重なってしまった。両方に出席しなければならないので、5月20日は花巻~北上間を何往復かすることになりそうだ。

釜石VC前の道路沿いに。

釜石VCにて、VCの方々とミーティング

瓦礫処理について

釜石・陸前高田・大船渡で、瓦礫処理について広域処理か域内処理かのヒアリングをした。結論から申し上げると、岩手県において瓦礫撤去は域内処理が望ましいとの意見が大多数だった。
理由は、主に2つ。一つは、被災地の雇用としての瓦礫撤去が必要であるということ。2つ目は、被災地から見ても、瓦礫を遠隔地へ搬送するのは非効率であるということ。
瓦礫の再利用や、景観上の問題点などの意見もあるとのことだが、この2点に集約できるとの事だった。
一つ言えるのは、広域処理と域内処理は対立軸にはならないという事だ。被災各地が選択すれば良いことであるし、同じ地域でも初期は広域処理に頼り、ある時点から域内処理に移行することも有効的な方策だろう。先の見通しが立っていない現在の状況で、2者択一の選択を迫るのは無意味であると言えるだろう。ともかく柔軟な対応をすべきだ。

限られた時間内でのヒアリングでサンプルとして成立しないかも知れないが、各地域の実質的な意見を聞くことが出来たと判断している。


人目につきにくい仮置き場も多い

瓦礫は減って来ているがまだまだ

最後に

震災から1年が経ち、復興支援の熱も冷めてきている。実際に、昨年のような感覚での支援は継続が難しいし、被災地の為になるのかどうか疑問が残る面もある。また、継続しなければという強迫観念も如何なものかと思う。復興支援は継続できる人たちが継続すればいいし、「継続」の解釈も幾つもあると考える。3年後にまた現地を訪れるのも支援の継続である。重要なのは、忘れないでいることだと強く感じるようになった。

今後も、夢のつばさプロジェクト、大船to大船渡、てらネットの各ミッションは、ゆっくりと支援をして行くと予測しています。皆様のご協力とご理解を賜りますようお願いを申しあげ第48便の報告書とします。

2012年4月3日
湯澤 大地